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『裸の大将』(小林桂樹版) [映画・DVD系]

『裸の大将』(1958)を見た。

芦屋雁之助のテレビ版は知っているが、映画の小林桂樹版は初めて見た。
今まで雁之助がネ申と思っていたが、小林桂樹のアレッぷりはむしろこちらがネ申と思わされるほど素晴らしかったように思う。例によって、清が「ぼ、ぼくはあたまがわるいのでおかあさんがしぬときに「き、清や、お前はあたまがわるいからおかあさんがしんだら人様からおにぎりをもらってたべろ」といわれたんだなあ」と話すくだりを演じる小林は見事としかいいようがない。

テレビ版では社会背景がいつの時代なのかよくわからなくなっているが、こちらは戦時中から敗戦、自衛隊発足あたりまでと、はっきりしており、当時の社会に対する批判もきちんと打ち出されている。徴兵検査で不合格になる場面や、空襲で敵機撃墜したと軍人が威張っているのに「(間違って)味方を撃ち落としたから敵は落としてないんだなあ」と本当のことを言ってしまう場面は笑える。

テレビ版では出てきたか覚えてないが、ここでは清の母や弟妹が登場する。清の世話を嫌々している様が面白い。ラストのほうでは、有名画家になってしまった清のおかげで、自分らもそれなりにきちんとした仕事をしなければならなくなった、とんだ迷惑だよとこぼす姿が正直で良い。

「ルンペン」「こじき」や「きちがい病院」も出てくるのでおそらく地上波では放送されないでしょう。清がいったん「きちがい病院」に強制的に入れられるのだが、大声で読経してるのや「空襲だあ」と叫ぶのや妙なのがたくさんいて、さすがの清も落ち着かない。清曰く「ぼ、ぼくはあたまはわるいがきちがいじゃないんだなあ」と脱走してしまう場面もある。

脱色された、お涙ちょうだい的なテレビ版よりもこちらのほうがオススメ。


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コメント 2

はじめまして。
小林桂樹で検索して、ここにたどりつきました。
感想はまったく同感。

僕は、小林桂樹のファンで、ファンといっても『社長シリーズ』の小林桂樹なんですけど。とにかく、子どものころから、テレビでたびたび再放映される『社長シリーズ』が大好きでした。

今、池袋の新文芸座という名画座で、小林桂樹映画祭という企画をやっていて、今月末まで続きます。

先日の日曜日は、『裸の大将』と『江分利満氏の優雅な生活』の2本に加えて、84歳になるご本人のトークショーもあり、ファンとしては黙っちゃおれないので、飛んで観に行きました。

小林桂樹を近くで見れただけで、大満足の一日でした。
by (2007-11-20 13:26) 

わらばー@見ッチェル

>マルコメXさん

はじめまして。nice&コメントありがとうございます。
小林桂樹さんのファンの方ですね。私は特にファンというわけではないのですが、以前『裸の大将』をたまたま観たら予想以上に面白かったんです。先日も渋谷で桂樹さんが演じた『首』という作品をやってましたので見に行きましたよ。その時のレビューが
http://blog.so-net.ne.jp/warabaa/2007-10-09
にあります。

こないだの日曜、マルコメXさんも新文芸座に行かれたんですね。実は私も友人と3人連れで行ってきたんです。もちろん、『裸の大将』『江分利満』プラスご本人のトークショーが目当てですw
同じ館内のどこかでマルコメXさんとニアミスしていたようですねーw
by わらばー@見ッチェル (2007-11-21 00:43) 

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